こんにちは!みすずです。
今回は、レーズンを使った天然酵母の基本的な作り方と、育て方のコツをご紹介します。


天然酵母パンに挑戦したいけど、酵母を育てるのは難しそう…と思いませんか?
レーズンを使うと比較的簡単に自家製酵母を育てることができますよ。
天然酵母とは
天然酵母とは、果物や穀物に自然に存在する酵母菌や乳酸菌を利用して発酵させた酵母のこと。
天然酵母を使ったパンは市販のドライイーストを使う場合と異なり、独特の風味や香り、深い味わいを楽しめるのが魅力です。
レーズン酵母の材料と道具
新しいドライレーズン(オイルコーティングなし)50g
水(浄水または軟水のミネラルウォーター)200ml
上白糖もしくは蜂蜜 (発酵促進用) 20g
材料で気をつけること
- レーズンが古いと失敗しやすいです。新しいものを使いましょう。
- 砂糖(蜂蜜)はなくても作れますが、加えた方が成功しやすいです。
- 黒砂糖は不向き。不純物が多いのと、phがアルカリ性に傾きます。
- 酵母を起こす水は酸性が適しています。浄水した水道水は弱酸性なので酵母作りに向きますが、市販のミネラルウォーターは中性やアルカリ性のものがあるので表示を確認しましょう。硬水やアルカリイオン水は使用できません。
用意する道具
- 蓋ができるガラス瓶(500ml)
- 消毒液(もしくは煮沸消毒)



大きすぎる瓶は避けましょう。
中の空気が多すぎると雑菌も繁殖しやすくなります。
ガラス瓶がなければ蓋付きのプラ容器でも作れます。その場合は煮沸消毒はできないので消毒液を使用します。
レーズン酵母の作り方
- 瓶を消毒する。(煮沸消毒、もしくは消毒液)
- レーズン、砂糖を入れ水を加えて蓋をする。
- 25℃程度の室温に置く。
- 1日1〜2回程度瓶を軽く振って混ぜ、蓋を開けて新鮮な空気を入れる。
- 3〜6日ほどで泡が出て、レーズンが浮いてきたら発酵成功のサイン。
- 甘い発酵の香り、炭酸のような泡、レーズンを指でつぶすとスカスカとした状態になれば完成。レーズンを濾して冷蔵庫に入れ保存は1週間程度が目安。


いよいよ酵母作りスタートです!作成した日、時間を1日目の朝とします。





5〜10日で出来上がりますよ。
おすすめの置き場所
- 夏:空調が24時間効いた室内(23〜26℃)
- 春・秋:室温。室温が低い場合は直射日光の入らない晴れの日の窓辺など暖かい場所を探す
- 冬:ホームベーカリーの「生種起こしコース」など温度が保てる器具を使うと安心
さて、私の場合ですが春秋で室温が25℃以下の時期は、日差しが直接当たらないベランダに置いています。





この時期が一番うまく行きやすいと思います。
その際、虫が気になる方は瓶を野菜干しネットなどに入れると良いかもしれません。
2日目も1日目と同様です。暖かいところに置きます。
1日1〜2回瓶を揺すり、蓋を開け空気を入れます。





蓋は開けっ放しにせず、新鮮な空気を入れたらすぐに閉めます。
蓋を何度も開けると雑菌が入りやすくなります。1日1〜2回程度にします。
3日目も1日目と同様です。暖かいところに置き、1日1〜2回瓶を揺すってから蓋を開けます。


4日目も1日目と同様に、暖かいところに置いて1日1〜2回瓶を揺すってから蓋を開けます。


5日目、レーズンが全て浮き上がり、炭酸のような泡立ちが常に出ている状態。ワインのような良い香りがします。





うまくできていれば蓋を開けたときに「ポンッ」と音がします。
レーズンをざるで濾し、別の消毒した瓶に入れ酵母液を冷蔵保存します。
出来上がった酵母液は冷蔵庫(4〜6℃)で保存し、約1週間で使い切ります。元気な状態を保つのは3〜5日(目安)なので早めに使い切りましょう。
※甘い香りや炭酸のような泡立ちが出れば成功。異臭やカビが出た場合は破棄してください。
トラブル対処法とアドバイス
症状 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
カビが生えた | 瓶の衛生状態が悪い/温度が高すぎ | 使用器具を清潔にする。 直射日光を避ける |
発酵が進まない | 温度が低い/酵母が弱い | 温かい場所に置く。 砂糖やはちみつ5ccと水を追加する。 |
酸っぱい匂いが強い | 雑菌(酢酸菌)が繁殖 | 出来上がりのパンも酸っぱくなるので破棄する |
10日以上経っても完成しない | レーズンに付着している酵母が少ない | レーズンを変える(別のメーカーにする) |
レーズン酵母は材料が手に入りやすく、比較的失敗が少ない天然酵母です。手作りの酵母で焼くパン作りをぜひ楽しんでくださいね。



次は酵母液の使い方をご紹介します。
レーズン酵母液の活用方法2つ
酵母液の使い方には、そのまま使う(ストレート法)と元種を作る(元種法)の2種類があります。
自家製天然酵母で作成したパンは、酵母の風味、もちっとした食感、小麦の旨みが楽しめますよ。


元種法
酵母液と同量の強力粉を加え混ぜ、発酵。3回継ぎ足して元種を作ります。
酵母液をそのまま使って生地を作るよりも安定した発酵が得られます。





元種の作り方は後日、別記事でご紹介します。
失敗しにくい天然酵母パン作りを目指すなら元種を作るのがオススメ。ですが、この記事では取りかかりやすいストレート法について説明しますね。
酵母液をそのまま使う:ストレート法
元種を作成せず、出来上がった酵母液をそのままパン生地に加えて使う手軽な方法です。



元種の管理の手間がないのでこちらの方が初心者向きかもしれません。
材料
強力粉 250g
室温に戻した酵母液(よく混ぜて計量) 100g
砂糖 お好みで
塩 5g
無塩バター 15g
水 50~60g(生地の硬さを見て調節)
レーズン酵母のパン生地は100%酵母液では作りません。水を加える理由は、「生地の水分調整」「風味のバランス」「発酵の安定性」のためです。
- 生地の水分量調節:酵母液にはレーズン由来の糖分や酸、微生物などが含まれているので水とは性質が異なります。そのため、加水の一部を「水」で補うことで生地の状態を安定させます。
- 風味のバランスをとる:酵母液を入れすぎると、酸味が強くなったり発酵が進みすぎたりします。
- 発酵の安定性をとる:酵母液の発酵力や水分量は日によって変動します。100%酵母液で仕込むと、日によって生地の硬さや発酵時間が大きく異なってきます。
所要時間(目安)
- 一次発酵:25℃で6〜8時間
- ベンチタイム 15〜30分
- 二次発酵:25℃で1.5〜2時間
- 焼成:200℃〜230℃ (分割なしの場合の焼き時間20〜25分)



自家製天然酵母でのパン作りは、ベンチタイムが通常より長めになります。
これは酵母の発酵が市販のインスタントトライストに比べゆっくりなため。
ベンチタイムを長めに取ることで生地が馴染みやすくなります。
- 生地が硬め・生地の張りが強いとき → 少し長め(25〜30分)がおすすめ
- 気温が高い/発酵が進んでいるとき → 短め(15分程度)でもよい
ストレート法:まとめ
酵母液を直接加えて作る天然酵母パンは手軽に作れるのが魅力。ただ酵母の状態によって発酵しやすかったりしにくかったりと安定しない点がデメリットになります。
通常のパン作りに比べ発酵に時間がかかるので、パン生地とゆっくり向かい合える時間が取れる時にぜひお楽しみください。
レーズン酵母で作るパンは外はカリッと、中はもっちり。
ゆっくり発酵させることで天然酵母ならではのうま味と風味が感じられる、優しいパンが出来上がります。
終わりに
今回はレーズンで作る自家製天然酵母の作り方と、酵母液の活用法としてストレート法で作るパン作りをご紹介しました。
レーズン酵母は比較的成功しやすく、材料も集められやすいので初心者でも作りやすい天然酵母です。自家製天然酵母にチャレンジしたことがない方もぜひ試してみてくださいね。



あなたの酵母がうまく成長しますように。
では、また次回の記事でお会いしましょう!
レーズン酵母レシピ色々


>>魚焼きグリルで【自家製レーズン酵母】レーズンパン(元種法)

